冷却水交換時期はいつ?費用と放置リスクを徹底解説

「車の冷却水(クーラント)、いつ交換すればいいんだろう?」
「車検の時に勧められたけど、本当に今交換すべき?」
「交換費用はいくらくらいかかるの?できれば安く済ませたい…」

通勤や家族の送迎で日常的に車を使うあなたにとって、冷却水のメンテナンスは少し分かりにくい問題かもしれません。この記事は、国家一級自動車整備士の監修のもと、そんなあなたの疑問や不安をすべて解消するために執筆しました。

この記事を最後まで読めば、あなたの車に最適な冷却水の交換時期と費用が明確になり、突然のオーバーヒートといった高額な修理につながるリスクを未然に防ぐことができます。
※この記事は2025年9月時点のメーカー情報や料金相場を元に作成しています。

この記事を5行で!
  • 冷却水の寿命は種類で異なる(LLC: 約2年/スーパーLLC: 約7~10年)
  • 費用相場は車種や業者で異なり3,000円~30,000円程度
  • 未交換のままだとオーバーヒートや部品故障を招く可能性あり
  • 自分でできる日常点検で早期異常発見が可能
  • 全量交換は「エア抜き」など専門作業が必要なので整備工場に任せるのが安心
ざっくり言うと

冷却水の交換時期は使用されている種類(LLC or スーパーLLC)によって異なります。交換を怠ると、エンジンオーバーヒートや部品故障、最悪エンジン交換など高額修理につながるリスクがあります。交換費用は依頼先や車種で異なり、3,000円〜30,000円が相場。日常点検は自分でも可能ですが、全量交換はプロに任せるのが安全です。こまめな点検と適切な交換で、車の寿命を延ばしましょう。

あわせて読みたい
JAFは必要?任意保険との違いを徹底比較!入らないと損する理由とは 「車のトラブルは心配だけど、JAFの年会費4,000円は少し高いかな…」「任意保険の無料ロードサービスで十分じゃないの?」 あなたも今、そう思っていませんか?特に家族...
目次

【結論】冷却水の交換時期は「種類」で決まる!あなたの車はどっち?

結論冷却水の交換時期は種類で決まるあなたの車はどっち

結論から言うと、冷却水の交換時期はあなたの車に使われている冷却水の種類によって決まります。主に「LLC(ロングライフクーラント)」と「スーパーLLC(スーパーロングライフクーラント)」の2種類があり、寿命が大きく異なります。

種類一般的な色初回の交換時期(目安)2回目以降の交換時期(目安)
LLC緑、赤2〜3年 または 4万km2年ごと または 4万kmごと
スーパーLLCピンク、青7〜10年 または 16万km4年ごと または 8万kmごと

現在、新車で販売されている多くの国産車には、長寿命なスーパーLLCが使用されています。しかし、中古車で購入した場合や年式の古い車の場合は、LLCが使用されている可能性もあります。

自分の車の冷却水の種類を確認する方法

自分の車がどちらのタイプか分からない場合は、エンジンルーム内のリザーバータンクの色を確認するか、車の取扱説明書(メンテナンスノート)で確認するのが最も確実です。例えばトヨタ車の場合、LLCは赤色、スーパーLLCはピンク色が使用されています。ただし、メーカーによって色は異なるため、取扱説明書での確認を強く推奨します。

HUBRIDE小野寺

取扱説明書やリザーバータンクで種類をチェックしましょう。中古車の場合は特に要確認!

この章のポイント
  • LLCとスーパーLLCで寿命が大きく違うので確認必須。
  • 色の違い(赤・緑・ピンク・青)で見分ける手がかりに。
  • 年式の古い車はLLC使用率が高いため注意。

【費用比較】冷却水の交換費用はどこで頼むのがお得?

冷却水の交換費用はどこで頼むのがお得

冷却水の交換費用は、依頼する業者や車種によって大きく変動します。ここでは「ディーラー」「カー用品店」「整備工場」の3つの選択肢について、それぞれのメリット・デメリットと費用相場を比較します。

依頼先メリットデメリット
ディーラー・車種に合った純正品を使用するため安心感が最も高い
・整備記録が残り、車両価値の維持につながる
・費用が最も高くなる傾向がある
・予約が必要な場合が多い
カー用品店・費用が比較的安い
・気軽に立ち寄りやすい、待ち時間が短い場合がある
・整備士の技術力にばらつきがある可能性
・純正品以外の冷却水を使用することがある
整備工場・ディーラーより安く、カー用品店より専門性が高い場合がある
・地域密着で融通が利くことがある
・工場の設備や技術力に差がある
・初めての場合は信頼できる工場を探す手間がかかる

【車種別】冷却水交換の費用相場

より具体的にイメージできるよう、車種カテゴリ別の費用相場をまとめました。これは冷却水代、交換工賃、廃液処理費用を含んだ一般的な目安です。

車種カテゴリ費用相場(目安)
軽自動車 (例:スズキ ワゴンR)3,000円 〜 11,000円
コンパクトカー (例:ホンダ フィット)4,000円 〜 13,000円
セダン・ミニバン (例:トヨタ カローラ、日産 セレナ)5,000円 〜 15,000円
輸入車 (例:BMW 3シリーズ)10,000円 〜 30,000円

輸入車は特に費用が高くなる傾向があります。これは、純正の冷却水が指定されている場合が多く、部品代が高価になるためです。また、冷却系統の構造が複雑な車種もあり、工賃が割高になるケースも少なくありません。正確な費用は、必ず事前に見積もりを取って確認しましょう。

HUBRIDE小野寺

価格だけでなく「信頼性」や「純正品使用」も比較基準にしましょう。見積もりを依頼する際は、「総額」を確認するとトラブルを防げます。

この章のポイント
  • ディーラーは高いが安心、整備履歴も残る。カー用品店は手軽で安価だが、技術力に差がある。整備工場はバランスが良いが、事前の信頼チェックが大切。
  • 軽自動車なら数千円で済むが、輸入車は3万円以上も。
  • 部品代と工賃が大きく変動するので事前見積もりが重要。また廃液処理費も含まれるかを確認するのが賢い選び方。

【危険】冷却水交換を「しない」と起こる最悪の事態

冷却水交換をしないと起こる最悪の事態

「まだ大丈夫だろう」と冷却水の交換を先延ばしにすると、愛車の心臓部であるエンジンに深刻なダメージを与え、最終的に数十万円単位の高額な修理費用が発生する可能性があります。

放置リスク①:オーバーヒート

冷却水は経年劣化により、防錆性能や冷却性能が低下します。劣化した冷却水を使い続けると、冷却系統の内部に錆や水垢が発生し、ラジエーターなどが詰まる原因となります。これによりエンジンの熱を十分に冷却できなくなり、オーバーヒートを引き起こします。水温警告灯が赤く点灯したら、それは危険のサインです。

放置リスク②:ウォーターポンプなどの部品故障

劣化した冷却水は、冷却水を循環させるウォーターポンプの内部を腐食させたり、冷却水の温度を調整するサーモスタットを固着させたりします。これらの部品が故障すると、冷却機能が正常に働かなくなり、やはりオーバーヒートにつながります。ウォーターポンプの交換だけでも3万円~8万円程度の費用がかかります。

放置リスク③:エンジン載せ替え(最悪のケース)

オーバーヒートに気づかず走行を続けると、エンジンのシリンダーヘッドが熱で歪み、ヘッドガスケットが破損します。この状態になると、冷却水がエンジンオイルや燃焼室に侵入し、エンジン自体に致命的なダメージを与えます。修理にはエンジンの分解が必要となり、15万円~70万円、場合によってはエンジン載せ替えでそれ以上という高額な費用が必要になります。

【リアルな失敗談】
「車検時に冷却水交換を勧められたけど、節約のために断ってしまった。その半年後、高速道路で水温計がHを振り切り、エンジンから白煙が…。原因はウォーターポンプの故障からくるオーバーヒート。結局、エンジン載せ替えで50万円以上の出費になりました。あの時交換しておけば…と本当に後悔しています。」(40代男性/ミニバンオーナー)

HUBRIDE小野寺

「まだ大丈夫」は危険。冷却水の色や量を定期的にチェックしましょう。

この章のポイント
  • オーバーヒートはエンジンの大敵。早期発見が命。
  • ウォーターポンプの腐食も多くの故障原因に。
  • 最悪はエンジン交換。放置の代償は想像以上に高い。

【実践】自分でできること・プロに任せること

自分でできることプロに任せること

高額な修理費を避けるためには、日々の点検が重要です。ここでは、ご自身で簡単にできる日常点検と、安全な補充方法について解説します。

自分でできる!冷却水の日常点検

点検は必ずエンジンが完全に冷えている状態で行ってください。エンジン停止直後は冷却水が高温・高圧になっており、火傷の危険があります。

  1. 量の確認: エンジンルームにある半透明の「リザーバータンク」を確認します。タンクの側面に「MAX(F)」と「MIN(L)」の目盛りがあり、液面がこの間に入っていれば正常です。MINよりも下に液面がある場合は補充が必要です。
  2. 色の確認: タンク内の冷却水の色を確認します。新品時は鮮やかな色をしていますが、茶色く濁っていたり、錆のような浮遊物があったりする場合は性能が低下しているサインです。交換時期に関わらず、プロに点検を依頼しましょう。
  3. 漏れの確認: 駐車場などで車を動かした際に、地面に緑や赤などのシミがないか確認します。また、エンジンルームを覗き込み、ラジエーター本体やホースの接続部から液体が漏れた跡がないかチェックしましょう。

安全な冷却水の補充方法

冷却水がMINレベル近くまで減っている場合は、補充が必要です。全量交換と違い、補充は比較的簡単に行えます。

  1. エンジンを完全に冷ます: 最も重要なポイントです。最低でもエンジン停止から1時間以上待ちましょう。
  2. 同じ種類の冷却水を準備: 車の取扱説明書で指定されたものと同じ色、同じ種類の冷却水(補充液)を用意します。カー用品店などで購入できます。
  3. リザーバータンクのキャップを開ける: ラジエーター本体のキャップではなく、リザーバータンクのキャップを開けます。
  4. ゆっくり補充する: 冷却水をMAXの目盛りを超えないように、ゆっくりと注ぎ入れます。
  5. キャップをしっかり閉める: 補充が終わったら、キャップを確実に閉めて完了です。

なぜDIYでの「全量交換」は推奨されないのか?

補充作業は簡単ですが、冷却水の全量交換をDIYで行うことは推奨しません。その理由は、「エア抜き」という専門的な作業が必要になるためです。冷却経路内に空気が残っていると、冷却性能が著しく低下し、オーバーヒートの原因となります。また、古い冷却水(廃液)は産業廃棄物にあたるため、家庭ごみとして捨てることは法律で禁じられています。安全・確実な作業と適切な廃液処理のためにも、全量交換はプロに任せましょう。

HUBRIDE小野寺

点検・補充は自分でOKですが、交換作業は整備士に任せるのが確実です。

この章のポイント
  • エンジンが冷えている状態で点検するのが鉄則。
  • 同じ種類・色の冷却水を使用しないと故障の原因に。
  • 全量交換はDIYでは危険。エア抜きが不完全だと故障リスク大。

【Q&A】冷却水のよくある疑問を解決!

冷却水のよくある疑問を解決
緊急時に水道水を入れても大丈夫?

応急処置としては可能ですが、あくまで一時的なものです。水道水にはミネラル分などが含まれており、冷却経路内に錆や水垢を発生させる原因となります。緊急時に水道水で補充した場合は、できるだけ早く整備工場で適切な冷却水に交換してもらってください。

違う色や種類の冷却水を混ぜてもいい?

絶対にNGです。異なる種類の冷却水を混ぜると、化学反応を起こして性能が著しく低下したり、ゲル状に固まって冷却経路を詰まらせたりする危険性があります。必ず、現在入っているものと同じ種類の冷却水を補充してください。

スーパーLLCなら交換は不要?

交換は必要です。スーパーLLCは長寿命ですが、永久に使えるわけではありません。防錆性能などは徐々に劣化していくため、メーカーが指定する交換時期(初回7~10年、2回目以降は4年など)を守って必ず交換しましょう。

まとめ

まとめ

車の冷却水は、エンジンの健康を維持するための「血液」のような存在です。交換を怠ると、オーバーヒートやエンジン故障といった深刻なトラブルにつながり、結果的に高額な修理費用が発生してしまいます。

この記事でお伝えしたポイントは以下の通りです。

  • 交換時期はLLCなら2~3年、スーパーLLCなら初回7~10年が目安。
  • 費用は車種や業者によるが、3,000円~30,000円程度。
  • 交換しないとオーバーヒートから最悪エンジン載せ替えのリスクがある。
  • 日常点検は自分で行い、全量交換はプロに任せるのが賢い選択。

まずはボンネットを開けて、ご自身の愛車のリザーバータンクをチェックすることから始めてみましょう。適切なメンテナンスで、愛車に長く、安心して乗り続けてください。信頼できる整備工場に相談することも、賢いカーライフを送るための第一歩です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

HUBRIDE(ハブライド)ブログ編集部は、「信用に不安があっても、安心してクルマに乗れる社会をつくる」をミッションに、低与信層の方々が抱える“車購入”に関する疑問や不安を解消する情報を発信しています。

当編集部は、自動車販売・ローン審査・債務整理分野の実務経験者や専門ライター、マーケティング担当者によって構成されており、単なる情報提供ではなく、「読者の人生の再スタートを後押しする」実践的な知識と選択肢をお届けしています。

目次