「車線の多い国道を走るのが怖い…」「白線と黄色の線の違いって、なんだっけ?」
免許を取ってからあまり運転していなかったり、引っ越しで車の運転が必須になったりすると、教習所で習ったはずの交通ルールが曖昧になって不安になりますよね。特に、車両通行帯や車線といった言葉の違いは、混同しがちです。
でも、ご安心ください。この記事を最後まで読めば、豊富な図解で難しい交通ルールもスッキリ理解でき、運転への不安が自信に変わります。
正しい知識は、あなたと大切なご家族を守る一番の安全装置です。 一緒に確認していきましょう。
- 「車両通行帯」と「車線」は意味が異なる
- 白線・黄線の「色」と「実線・破線」の組み合わせでルールが決まる
- 追越車線はずっと走り続けると違反になる
- トンネル内の追い越しは原則禁止(例外あり)
- 線の種類を理解しないと、知らぬ間に交通違反になることもある
車両通行帯とは、法律で定められた「走行すべきレーン」のことで、白線や黄線の意味、トンネル内のルール、追い越しの可否などに細かい決まりがあります。この記事では、初心者が迷いやすい「車線との違い」「走行ルール」「違反時の罰則」などを図解とともにわかりやすく解説。これを知れば、運転中の不安がグッと減り、安全運転に自信が持てるようになります。

車両通行帯とは?車線・センターラインとの違いを解説
![車両通行帯とは車線センターラインとの違いを解説 - HUBRIDE[ハブライド]公式サイト](http://hubride.co.jp/wp-content/uploads/2025/09/車両通行帯とは車線センターラインとの違いを解説-1024x683.jpg)
まずは基本からおさらいしましょう。「車両通行帯」「車線」「センターライン」、似ているようで実は役割が異なります。この違いを理解することが、安全運転の第一歩です。
「車両通行帯」とは車両が通るべき”帯”のこと
車両通行帯とは、道路に引かれた白線や黄線によって区切られた、車が通行するための帯状のエリアのことです。道路交通法では「車両が道路の定められた部分を通行すべきことが道路標示により示されている場合における当該道路標示により示されている道路の部分」と定義されています。
簡単に言うと、「法律で定められた、あなたが走るべきレーン」のことです。原則として片側二車線以上の道路に設けられており、どこを走るべきか、どう走るべきかという法的なルールが伴います。
「車線」「センターライン」との違いは?
では、「車線」や「センターライン」とは何が違うのでしょうか。それぞれの役割を下の表で比較してみましょう。
用語 | 役割と特徴 |
---|---|
車両通行帯 | 道路標示(白線・黄線)で区切られた法的な走行エリア。原則片側2車線以上の道路に存在し、通行ルールが法律で定められている。 |
車線 | 車両が走行するレーン全般を指す一般的な呼び方。片側1車線の道路の走行レーンも「車線」と呼ぶ。 |
センターライン | 対向車線との境界を示す線。道路の中央に引かれており、原則としてこの線を越えて右側にはみ出してはいけない。 |
つまり、「車線」という大きな括りの中に、法的な意味合いを持つ「車両通行帯」と、対向車線との境界を示す「センターライン」があるとイメージすると分かりやすいです。

「車線」と「車両通行帯」を混同しやすいですが、法的な規則があるのは「車両通行帯」です。道路に引かれた線の意味を理解して、安全に運転しましょう。
- 「車両通行帯」は法律で定義された走行エリアで、走行のルールが明確に決まっている。
- 「車線」は一般的な言い方で、法的効力はないが通称として使われている。
- 「センターライン」は対向車線の境界。原則、はみ出し禁止。
最重要!白線・黄線の種類とルール
![最重要白線黄線の種類とルール - HUBRIDE[ハブライド]公式サイト](http://hubride.co.jp/wp-content/uploads/2025/09/最重要白線黄線の種類とルール-1024x683.jpg)
道路にはさまざまな種類の線が引かれており、これが運転を難しく感じる原因の一つですよね。しかし、線の「色」と「形状(実線か破線か)」の組み合わせでルールを覚えれば、とてもシンプルになります。
まずは基本!「実線」と「破線」の違い
線の色に関わらず、まず覚えておきたいのが「実線」と「破線」の基本的な違いです。
- 破線: 隣の車線へはみ出し・車線変更が可能です。
- 実線: 隣の車線へはみ出し・車線変更は原則禁止です。
この基本を押さえるだけで、多くの場面で迷わなくなります。
白い線のルール(車線境界線)
同じ方向に進む車線を区切っているのが白い線です。こちらも破線か実線かで意味が変わります。
- 白い破線: 車線変更ができます。 もっとも一般的な車線境界線で、多くの道路で見られます。安全を確認した上で、追い越しや右左折のための車線変更が可能です。
- 白い実線: 原則として車線変更は禁止です。ただし、これは「危険なのでやめてください」という注意喚起の意味合いが強く、黄色の実線ほど厳しい禁止ではありません。例えば、前方に障害物がある場合など、やむを得ない状況で安全が確認できれば車線変更は可能です。
黄色い線のルール(車両通行帯境界線)
黄色い実線は、白い線よりも強い意味を持つ重要な線です。
- 黄色い実線: この線をはみ出して追い越すことは禁止されています。車線変更そのものが禁止されているわけではありませんが、追い越しのためにこの線をはみ出すと違反になります。見通しの悪いカーブや坂道など、特に危険な場所に引かれています。
線の組み合わせルール
時には、白と黄色、実線と破線が組み合わさって引かれていることもあります。これも自分のいる車線側の線を見れば、ルールは簡単です。
線の種類 | ルール |
---|---|
白の破線 | 車線変更・追い越し OK |
白の実線 | 原則、車線変更・追い越し NG(注意喚起) |
黄色の実線 | はみ出しての追い越し 禁止 |
白の破線+黄色の実線 | 白の破線側からのみ車線変更・追い越し OK |
黄色の二重実線 | 両車線から、はみ出しての追い越し 絶対禁止 |

混乱しがちな線の種類も、意味がわかれば安心。特に黄色の実線は強い禁止の意味なので、絶対にはみ出さないように!
- 「実線」は進路変更NG、「破線」はOKが基本ルール。
- 黄色の実線は特に厳しく、追い越し禁止を意味する。
- 線の組み合わせ(白破線+黄実線)では、自車線側の線を基準に判断。
車両通行帯の正しい走り方
![車両通行帯の正しい走り方 - HUBRIDE[ハブライド]公式サイト](http://hubride.co.jp/wp-content/uploads/2025/09/車両通行帯の正しい走り方-1024x683.jpg)
車両通行帯が複数ある道路では、どの車線を走るかにもルールがあります。このルールを知らないと、知らないうちに「あおり運転」を誘発してしまったり、交通違反になったりすることもあるので、しっかり確認しましょう。
基本は「キープレフトの原則」
道路交通法第20条では、車両通行帯が設けられた道路では「道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない」と定められています。これが「キープレフトの原則」です。
つまり、複数の車線がある場合でも、基本的には一番左側の車線を走行するのがルールです。空いているからといって、真ん中や右側の車線を走り続けてはいけません。
一番右は「追越車線」!走り続けるのは違反
片側2車線以上の道路で、一番右側の車線は「追越車線」と呼ばれます。その名の通り、前の車を追い越すときや、右折するために一時的に使用する車線です。
追い越しが終わったにもかかわらず、追越車線を走り続ける行為は「通行帯違反」という立派な交通違反になります。後続車が詰まって渋滞の原因になったり、トラブルに発展したりすることもあります。追い越しが終わったら、速やかに左側の走行車線に戻りましょう。
3車線以上ある道路の走り方
片側3車線以上の道路でもルールは同じです。
- 一番左の車線: 主に走行するための車線(走行車線)
- 真ん中の車線: 走行車線ですが、左側の車線が詰まっている場合や、右側の追越車線を使って追い越した車が戻るために使います。
- 一番右の車線: 追い越しや右折のために使う車線(追越車線)
基本は一番左を走り、必要に応じて右の車線へ移る、と覚えておきましょう。

ついつい右側を走り続けたくなりますが、違反になることも。基本は「左を走る」が正解です!
- 「キープレフト原則」は車両通行帯の基本ルール。
- 一番右の「追越車線」は一時的な使用が前提。
- 追い越しが終わったら速やかに左へ戻らないと違反になる
【要注意】トンネル内の特別ルール
![要注意トンネル内の特別ルール - HUBRIDE[ハブライド]公式サイト](http://hubride.co.jp/wp-content/uploads/2025/09/要注意トンネル内の特別ルール-1024x683.jpg)
薄暗く、閉鎖的なトンネル内は、普段の道路とは違う特別な注意が必要です。追い越しに関するルールも変わるため、しっかり理解しておきましょう。
トンネル内の追い越しは原則禁止!
多くの人が教習所で習った通り、トンネル内での追い越しは原則として禁止されています。これは、以下のような危険があるためです。
- 視界の問題: トンネルの出入り口で明るさが急に変わり、一瞬視界が奪われる「ブラックホール現象」「ホワイトホール現象」が起こりやすいです。
- 速度感覚の麻痺: 単調な景色が続くため、実際の速度より遅く感じてしまい、スピードを出しすぎてしまうことがあります。
- 心理的な圧迫感: 閉鎖的な空間はドライバーに圧迫感を与え、冷静な判断を鈍らせることがあります。
これらの理由から、センターラインが白の破線であっても、追い越し禁止の標識がなくても、車両通行帯のないトンネル内での追い越しは禁止されています。
追い越しが許可される例外ケースとは?
原則禁止のトンネル内での追い越しですが、例外的に許可されるケースがあります。それは、トンネル内に「車両通行帯」が設けられている場合です。
つまり、片側2車線以上あり、白線で車線が区切られているトンネルであれば、走行車線から追越車線へ車線変更して追い越すことが可能です。ただし、許可されているからといって安全なわけではありません。トンネル特有の危険性を常に意識し、通常よりも慎重に、周囲の状況をよく確認してから行うようにしましょう。
うっかり違反を防ぐ!罰則とよくある違反事例
![うっかり違反を防ぐ罰則とよくある違反事例 - HUBRIDE[ハブライド]公式サイト](http://hubride.co.jp/wp-content/uploads/2025/09/うっかり違反を防ぐ罰則とよくある違反事例-1024x683.jpg)
車両通行帯に関するルールを守らないと、交通違反として取り締まりの対象となります。ここでは、主な違反と罰則をまとめました。
車両通行帯に関する違反と罰則一覧
うっかり違反してしまわないよう、代表的な違反と罰則(普通車の場合)を覚えておきましょう。
違反行為 | 違反点数 | 反則金(普通車) |
---|---|---|
通行帯違反(追越車線の連続走行など) | 1点 | 6,000円 |
進路変更禁止違反(黄色い実線をまたぐなど) | 1点 | 6,000円 |
追い越し違反(追い越し禁止場所での追い越し) | 2点 | 9,000円 |
指定通行区分違反(バス専用レーン走行など) | 1点 | 6,000円 |
これらの反則金を納付しない場合、刑事罰として罰金が科される可能性もあります。
よくある違反事例①:追越車線の連続走行
最も多い違反の一つが、先ほども解説した「追越車線の連続走行」です。高速道路などで、流れが速いからと右側の追越車線を走り続けてしまうケースです。これは「通行帯違反」にあたり、取り締まりの対象となります。追い越しが終わったら、必ず左側の走行車線に戻る習慣をつけましょう。
よくある違反事例②:バス専用通行帯の走行
朝の通勤ラッシュ時などに「バス専用」と指定されている通行帯を、一般の車が走行してしまうケースです。道路標識や路面表示で指定された時間帯に走行すると「指定通行区分違反」となります。標識をよく確認し、指定時間内は絶対に走行しないようにしましょう。

トンネルでは、急な明暗変化や圧迫感でミスをしやすいので、追い越しは避けて慎重に走行しましょう。
- トンネル内は視界・速度感覚が狂いやすい危険地帯。
- 一般的なトンネルでは追い越し禁止が原則。
- 車両通行帯があるトンネルのみ追い越し可能(要注意)。
ペーパードライバーのためのQ&Aコーナー
![ペーパードライバーのためのQAコーナー - HUBRIDE[ハブライド]公式サイト](http://hubride.co.jp/wp-content/uploads/2025/09/ペーパードライバーのためのQAコーナー-1024x683.jpg)
ここでは、運転に慣れていない方が抱きがちな、より具体的な疑問にお答えします。
- 黄色い実線をまたいで駐車車両を避けるのは違反?
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原則として違反にはなりません。 黄色い実線は「追い越しのためのはみ出し」を禁止するものです。駐車車両や工事などの障害物を避けるため、やむを得ずはみ出す場合は、追い越しにはあたらないため許可されています。ただし、対向車など周囲の安全を十分に確認してから、慎重にはみ出すようにしてください。
- 車両通行帯のない道路ではどこを走ればいいの?
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車両通行帯のない片側1車線の道路でも「キープレフトの原則」は同じです。道路の中央(センターライン)から左側の部分で、さらにできるだけ左に寄って通行しなければなりません(道路交通法第18条)。対向車との接触を避け、歩行者や自転車との安全な間隔を確保するためにも、常に左寄りを意識して走行しましょう。
- 右左折するときの車線変更は、いつすればいい?
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法律では「右左折する地点の30メートル手前までに」車線変更を完了させておく必要があります。早めに方向指示器(ウインカー)で合図を出し、ミラーと目視で安全を確認してから、落ち着いて車線変更を行いましょう。交差点の直前で慌てて車線変更するのは非常に危険です。時間に余裕を持って、手前から準備することが大切です。
まとめ
![まとめ - HUBRIDE[ハブライド]公式サイト](http://hubride.co.jp/wp-content/uploads/2025/08/まとめ-10-1024x683.jpg)
今回は、車両通行帯の基本的な意味から、線の種類の見分け方、正しい通行ルール、違反した場合の罰則までを解説しました。
重要なポイントは、「基本は一番左の車線を走り(キープレフト)、線の色と形でルールを判断する」ということです。特に、一番右の車線は追い越しのための一時的なレーンであり、走り続けないことを徹底しましょう。
難しいと感じる交通ルールも、一つひとつの意味を理解すれば決して怖いものではありません。正しい知識を身につけることが、運転への自信につながり、あなた自身と大切な同乗者を守る最良の方法です。この記事で得た知識を活かして、安全で楽しいカーライフを送ってください。