水温警告灯が点灯!赤・青の意味と原因、対処法を完全ガイド

走行中に、メーターに見慣れない「イカのようなマーク」や「温度計のようなマーク」が赤く点灯・点滅して、ヒヤッとした経験はありませんか?家族を乗せたドライブ中であれば、なおさら不安になりますよね。

「このまま走り続けても大丈夫?」「故障だとしたら修理代はいくらかかるの?」そんな突然のトラブルに、どう対処すれば良いか分からず困っている方も多いでしょう。

ご安心ください。この記事では、水温警告灯が点灯する原因から、ご自身でできる緊急時の対処法、修理費用の相場まで、どこよりも分かりやすく徹底的に解説します。

この記事を最後まで読めば、水温警告灯の正しい知識が身につき、いざという時に慌てず冷静に対処できるようになります。愛車の重大なトラブルを未然に防ぎ、安心のカーライフを送りましょう。

この記事を5行で!
  • 赤色は危険信号:オーバーヒート直前、即停車が必須。
  • 青色は正常表示:暖機中のお知らせ、長時間消えなければ異常。
  • 原因は冷却系トラブルが中心:冷却水不足・ポンプ・ラジエーターなど。
  • 修理費用は幅広い:軽は数万円、輸入車は10万円超も。
  • 日常点検で防げる:半年ごとに冷却水チェック、種類に応じて定期交換。
ざっくり言うと

水温警告灯は「赤」と「青」で意味が異なります。

  • :オーバーヒートの危険、すぐに安全な場所へ停車しエンジンを止める。
  • :エンジンが冷えている状態、通常は走行中に消灯する。

赤の点灯原因は冷却水不足・部品故障・センサー不良・オイル不足など。放置すると高額修理や火災のリスクがあります。対処は「安全確保→停車→エンジン停止→ロードサービス」。修理費は1万円台〜10万円超まで幅広く、依頼先選びも重要です。予防には冷却水の点検・交換が効果的。半年に一度のチェックで安心なカーライフを守れます。

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目次

【結論】水温警告灯が点灯したら、まず安全な場所に停車!

水温警告灯が点灯したらまず安全な場所に停車

水温警告灯、特に赤色の警告灯が点灯したら、それは「エンジンがオーバーヒートする危険がある」という車からの重大なSOSサインです。絶対に放置してはいけません。

走行中に赤い水温警告灯が点灯・点滅したら、まず第一に、慌てずにハザードランプを点灯させ、周囲の安全を確認しながら速やかに路肩や駐車場などの安全な場所に車を停車させてください。

  • 警告灯点灯:走行中に赤色の水温警告灯が点灯・点滅。
  • 安全確保慌てずにハザードランプを点灯し、後続車に異常を知らせる。
  • 安全な場所へ停車:周囲の状況を確認し、ゆっくりと路肩や駐車場など安全な場所へ移動し、停車する。
  • エンジン停止:エンジンを停止する。ただし、すぐにボンネットは開けないこと。
  • 専門家へ連絡:JAFや加入している任意保険のロードサービス、またはお近くの整備工場に連絡し、指示を仰ぐ。

水温警告灯とは?赤色と青色の意味を正しく理解しよう

水温警告灯には、主に「赤色」と「青色(または緑色)」の2種類があり、それぞれ全く意味が異なります。この違いを理解することが、適切な対処への第一歩です。

赤色の水温警告灯:エンジンのオーバーヒートを示す「危険」サイン

赤色の水温警告灯は、エンジンの冷却水の温度が異常に高くなっていることを示しています。一般的に、水温が115℃〜120℃を超えると点灯するように設定されています。

これは、人間でいえば「40℃以上の高熱が出ている」ような危険な状態です。このまま走行を続けると、エンジンが熱で変形してしまう「オーバーヒート」を引き起こし、最悪の場合、エンジンが焼き付いて動かなくなります。そうなると数十万円以上の高額な修理費用がかかるだけでなく、走行不能や車両火災につながる可能性もあり、非常に危険です。

青色(緑色)の水温警告灯:エンジンがまだ冷えている「準備中」サイン

一方、青色や緑色の水温警告灯は、故障ではなく「エンジンがまだ十分に暖まっていない(冷却水温が低い)」ことを示す正常なサインです。特に冬場の寒い朝などにエンジンをかけた際に点灯します。

これは「まだ暖機運転中ですよ」というお知らせマークのようなものです。通常は、5分〜10分程度走行するうちにエンジンが適温になると自然に消灯します。もし、長時間走行しても青色の警告灯が消えない場合は、後述する別の原因が考えられるため、点検が必要になります。

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色の意味を正しく理解して、正しく対処することが重要です。赤は即行動、青は経過観察が基本です。

この章のポイント
  • 赤はオーバーヒート直前で即停車が必須。
  • 青は冷えている状態、通常は自然に消える。
  • 青が長く消えない時はサーモスタット故障などが疑われる。

なぜ点灯・点滅する?水温警告灯の主な原因を徹底解説

なぜ点灯点滅する水温警告灯の主な原因を徹底解説

では、なぜ水温警告灯は点灯するのでしょうか。ここでは、危険な「赤色」の警告灯が点灯する原因と、「青色」の警告灯が消えない原因をそれぞれ詳しく解説します。

【赤色・点滅】危険な水温上昇を引き起こす5つの原因

赤色の水温警告灯が点灯・点滅する主な原因は、エンジンを冷やすための「冷却システム」のどこかに異常が発生しているケースがほとんどです。

1. 冷却水(クーラント)の不足・漏れ

最も多い原因が、冷却水の不足や漏れです。冷却水はエンジンの熱を奪い、ラジエーターという装置で冷やす重要な役割を担っています。この冷却水が減ってしまうと、エンジンを十分に冷却できなくなり、水温が急上昇します。

冷却水は自然に蒸発して少しずつ減ることもありますが、急に減った場合は、ラジエーター本体の損傷(飛び石など)や、各部品をつなぐゴムホースの劣化による亀裂からの漏れが疑われます。駐車している地面に緑色や赤色の液体が漏れていたり、エンジンルームから甘い匂いがしたりする場合は、冷却水が漏れている可能性が高いでしょう。

2. 冷却システムの部品故障

冷却水が十分に入っていても、システムを構成する部品が故障するとエンジンを正常に冷却できません。

特に、古い年式の国産車ではラジエータータンクの劣化による亀裂スバル車の一部ではサーモスタットの固着などが比較的多い故障事例として知られています。

3. 水温センサーの故障

水温センサーは、冷却水の温度を測定し、メーターに表示したり、ラジエーターファンを回す指令を出したりする重要な部品です。このセンサー自体が故障すると、実際にはオーバーヒートしていなくても「水温が高い」と誤った信号を送り、警告灯を点灯させてしまうことがあります。

4. エンジンオイルの不足や劣化

意外に思われるかもしれませんが、エンジンオイルにもエンジン内部を冷却する「冷却作用」があります。そのため、エンジンオイルが規定量より少なかったり、劣化して性能が落ちていたりすると、冷却性能が低下し、オーバーヒートの一因となることがあります。

5. エンジンの重大な不具合

頻度は低いですが、エンジンのヘッドガスケットが抜けるといった重大なトラブルが原因で、冷却水に排気ガスが混入したり、冷却水が燃焼室に入り込んだりしてオーバーヒートを引き起こすケースもあります。この場合は修理費用が高額になる傾向があります。

【青色】水温警告灯がなかなか消えない原因

通常はすぐに消えるはずの青色の水温警告灯が、長時間走行しても消えない場合、以下のような原因が考えられます。

  • サーモスタットの故障(開きっぱなし): 赤色点灯の原因とは逆に、サーモスタットの弁が開いたまま固着してしまう故障です。この状態だと、冷却水が常にラジエーターで冷やされ続けるため、エンジンがいつまで経っても適温にならず、「オーバークール」という状態になります。燃費の悪化や暖房の効きが悪くなるといった症状も現れます。
  • 水温センサーの故障: センサーが「水温が低い」と誤った信号を送り続けている可能性があります。
  • 外気温が極端に低い: マイナス気温になるような極寒地では、エンジンが温まりにくく、青色警告灯の消灯までに時間がかかることもあります。しかし、30分以上走行しても消えない場合は、何らかの異常を疑った方が良いでしょう。

水温警告灯が「ついたり消えたり」する原因は?

警告灯が点灯したままではなく、ついたり消えたりを繰り返す場合、ドライバーとしては判断に迷いますよね。この症状には、以下のような原因が考えられます。

  • 冷却水量の不足: 冷却水の量が規定値のギリギリになっていると、車の傾きや加減速によってセンサーが液面を検知したりしなかったりを繰り返し、警告灯が点滅することがあります。
  • サーモスタットやセンサーの故障初期症状: 部品が完全に故障する一歩手前の状態で、正常に作動したりしなかったりを繰り返している可能性があります。
  • 配線の接触不良: センサーにつながる配線が断線しかかっていたり、コネクタの接触が悪くなっていたりすると、振動などで警告灯がついたり消えたりします。

いずれの場合も、トラブルの前兆である可能性が高いため、「消えたから大丈夫」と安心せず、早めに点検を受けましょう。

HUBRIDE小野寺

定期点検と液量チェックを習慣にして、前兆を早めにキャッチ。

この章のポイント
  • 冷却水不足や漏れが最も多い。
  • サーモスタットやウォーターポンプなど部品故障も頻発。
  • 青の長時間点灯はオーバークールによる燃費悪化の可能性あり。

【実践】走行中に水温警告灯が点灯した時の正しい対処法

走行中に水温警告灯が点灯した時の正しい対処法

実際に赤色の水温警告灯が点灯してしまったら、パニックにならず、安全を最優先に行動することが重要です。

まずは慌てず安全確保!停車までの手順

一般道でも高速道路でも、基本は同じです。まずはハザードランプを点灯させて後続車に異常を知らせましょう。その後、急ハンドルや急ブレーキは避け、ゆっくりと速度を落としながら、路肩やパーキングエリア、空いている駐車場など、安全に停車できる場所を探してください。

高速道路では、走行車線での停車は追突の危険があり絶対に避けてください。必ず路肩や非常駐車帯まで移動し停止表示器材(三角表示板)を車の後方に設置して、ガードレールの外など安全な場所に避難しましょう。

停車後にやるべきこととNG行動

安全な場所に停車できたら、エンジンを停止します。その後、可能であればボンネットを開けてエンジンルームの熱を逃がすと、冷却を早める効果があります。

ここで、絶対にやってはいけないNG行動があります。それは、すぐにラジエーターキャップを開けることです。オーバーヒート状態の冷却システム内は高温・高圧になっており、キャップを開けた瞬間に100℃以上の熱湯や蒸気が噴き出し、大やけどをする危険があります。

エンジンが冷えるまで、最低でも30分以上は時間を置きましょう。

応急処置:冷却水がない場合の緊急対応

エンジンが十分に冷えたのを確認してから、半透明の「リザーバータンク」で冷却水の量を確認します。タンク側面の「LOW」や「MIN」のラインより液面が低ければ、冷却水不足です。

手元に補充用の冷却水(クーラント)がない場合の緊急的な応急処置として、水道水を入れることも可能です。ただし、水道水はサビや不純物の原因となるため、あくまで一時しのぎです。後日、必ず整備工場で正規の冷却水に入れ替え、冷却システム全体の点検をしてもらってください。

誰に連絡すればいい?ロードサービスの呼び方

冷却水を補充しても警告灯が消えない、明らかに漏れている、原因がわからないといった場合は、無理に走行せず、プロに助けを求めましょう。JAFの会員であればJAFに、そうでなければ加入している自動車保険に付帯しているロードサービスに連絡するのが一般的です。

連絡する際は、以下の情報を落ち着いて伝えるとスムーズです。

  • 現在地の正確な情報(住所、目印になる建物、高速道路の場合はキロポストなど)
  • 車種、年式、ナンバー
  • トラブルの状況(いつから水温警告灯が点灯したか、異音や異臭の有無など)
HUBRIDE小野寺

自己流でキャップを開けるのは危険。迷ったらロードサービス一択。

この章のポイント
  • 停車場所は路肩や駐車場など安全第一。
  • ボンネットはすぐ開けず、最低30分は冷却を待つ。
  • 冷却水不足時は応急で水道水補充も可能だが、必ず後で正規交換。

水温警告灯の修理費用はいくら?故障箇所別の相場と依頼先の選び方

水温警告灯の修理費用はいくら故障箇所別の相場と依頼先の選び方

次に、気になる修理費用についてです。原因によって費用は大きく変動するため、あくまで目安として参考にしてください。

故障箇所別の修理費用相場一覧

修理費用は、部品代と作業工賃の合計で決まります。以下に主な故障箇所の費用相場をまとめました。

※上記は一般的な国産車の場合です。車種や依頼する業者によって変動します。

【車種別】修理費用はどれくらい違う?

部品代や作業の難易度は車種によって異なるため、修理費用も変わってきます。特に輸入車は部品代が高価で、工賃も高くなる傾向があります。

どこに頼むのがベスト?ディーラー・整備工場・カー用品店の比較

修理を依頼する先としては、主にディーラー、街の整備工場、カー用品店の3つが挙げられます。それぞれにメリット・デメリットがあるため、ご自身の状況に合わせて選びましょう。

費用と安心感のバランスを考えるなら、地方運輸局長の認証を受けた「認証工場」の看板を掲げている街の整備工場に相談するのがおすすめです。

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費用と安心感のバランスを考え、事前に見積もりを複数取ると安心。

この章のポイント
  • 軽自動車は比較的安価、輸入車は部品代・工賃とも高い。
  • ディーラーは安心感、工場はコスパ、カー用品店は簡易修理向き。
  • 「認証工場」の看板がある整備工場は信頼度が高い。

【予防】高額修理を防ぐ!今日からできる日常メンテナンス

予防高額修理を防ぐ今日からできる日常メンテナンス

突然のトラブルと高額な出費を防ぐ最善の方法は、日頃からのメンテナンスです。専門的な知識がなくても、冷却水のチェックは誰でも簡単に行えます。

冷却水(クーラント)の点検方法

点検は、必ずエンジンが完全に冷えている状態で行ってください。やけどの危険があるため、走行直後は絶対に避けましょう。

  1. ボンネットを開ける: エンジンルーム内にある半透明の「リザーバータンク」を探します。場所は取扱説明書で確認できます。
  2. 液量を確認する: タンクの側面に「FULL(MAX)」と「LOW(MIN)」の目盛りがあります。冷却水の液面がこの2つの線の間にあれば正常です。「LOW」より下にある場合は補充が必要です。
  3. 色と汚れを確認する: 冷却水の色もチェックしましょう。本来は緑や赤など透明感のある色ですが、茶色く濁っていたり、油が浮いていたりする場合は、内部でサビが発生していたり、エンジンオイルが混入していたりするサインです。早急に専門家による点検が必要です。

この点検を、少なくとも半年に一度は行う習慣をつけましょう。

冷却水の交換時期の目安

冷却水は、長期間使用すると防サビ性能などが劣化します。車の寿命を延ばすためにも、定期的な交換が必要です。交換時期の目安は冷却水の種類によって異なります。

  • LLC(ロングライフクーラント): 一般的な赤色や緑色の冷却水。交換目安は2年または4万kmごと
  • SLLC(スーパーロングライフクーラント): 近年の新車に多く使われる青色やピンク色の冷却水。交換目安は7年〜10年または16万kmごとと長寿命です。

ご自身の車の種類がわからない場合は、車検時などに整備士に確認してもらいましょう。

HUBRIDE小野寺

点検は必ずエンジン冷却後に。DIYでもできるので習慣化を。

この章のポイント
  • 冷却水の色・量・汚れを確認するだけで予兆を見つけられる。
  • LLCは2年ごと、SLLCは7〜10年ごとが交換目安。
  • 冷却水の濁りや油混入は重大故障のサイン。

まとめ:水温警告灯は愛車からのSOS!正しい知識で安全なカーライフを

まとめ

今回は、水温警告灯が点灯した場合の原因と対処法について解説しました。

重要なポイントは、赤色の水温警告灯は「すぐに停車!」の危険サインであるということです。決して軽視せず、本記事で解説した手順に沿って、安全を最優先に行動してください。そして、トラブルを未然に防ぐためには、日頃からの冷却水のセルフチェックが非常に有効です。

車の警告灯は、私たちドライバーに重要な情報を伝えてくれる大切な機能です。正しい知識を身につけることが、あなたと大切な家族の安全を守り、余計な出費を抑えることにつながります。この記事が、あなたの安心なカーライフの一助となれば幸いです。

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この記事を書いた人

HUBRIDE(ハブライド)ブログ編集部は、「信用に不安があっても、安心してクルマに乗れる社会をつくる」をミッションに、低与信層の方々が抱える“車購入”に関する疑問や不安を解消する情報を発信しています。

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