「3ナンバーは税金が高い」は嘘?後悔しない車選びの全知識

「そろそろ家族のためにミニバンに買い替えたいけど、3ナンバー車は維持費が高くなるんじゃないか…」
「妻も運転するから、大きな車は不安…」

家族構成の変化を機に、新しい車の購入を検討しているあなたは、こんな悩みを抱えていませんか?特に、これまで5ナンバーの車に乗っていた方にとって、「3ナンバー」という響きは、税金や維持費が一気に跳ね上がるイメージがあるかもしれません。

しかし、そのイメージはもう古いかもしれません。

結論から言うと、現在の税制度では、自動車税はナンバーの数字(5ナンバーか3ナンバーか)で直接決まるわけではありません。重要なのは「排気量」と「車両重量」なのです。

この記事では、5ナンバーと3ナンバーの根本的な違いから、多くの方が誤解している税金の仕組み、そして実際の使い勝手まで、どこよりも分かりやすく徹底的に解説します。この記事を読み終える頃には、「3ナンバーは高い」という漠然とした不安は解消され、あなたの家族にとって本当に最適な一台を、自信を持って選べるようになっているはずです。

この記事を5行で!
  • 税金はナンバーではなく「排気量・重量」で決まる
  • 3ナンバーの方が車幅は広く、実用性や快適性が高い
  • 保険料や維持費は車種によって異なるが、必ずしも3ナンバーが高いとは限らない
  • 機械式駐車場にはサイズ制限があるため要注意
  • リセールバリューや用途に応じた選び方が賢い判断材料に
ざっくり言うと

「3ナンバー車は税金が高い」はもう過去の話。現在の自動車税や重量税は、ナンバーではなく排気量や重量で決まります。駐車場サイズや運転のしやすさには影響がありますが、費用面だけで敬遠するのは損。用途や家族構成に合わせた選び方こそが、後悔しない車選びのカギです。

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【基本】まずは5ナンバーと3ナンバーの違いを知ろう

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車選びの第一歩として、まずは5ナンバーと3ナンバーの基本的な違いを正確に理解しましょう。この違いは、ナンバープレートを見れば一目でわかります。

ナンバープレートの見分け方

ナンバープレートには、地名の右隣に数字が記載されています。この部分を「分類番号」と呼び、この番号の最初の数字によって、車の用途や種類が区別されています。

普通乗用車の場合、この分類番号の先頭が「3」から始まっていれば3ナンバー、「5」または「7」から始まっていれば5ナンバー(または7ナンバー)となります。7ナンバーは、5ナンバーの番号が不足した場合に使われるもので、区分としては5ナンバーと全く同じ扱いです。

5ナンバーと3ナンバーを分ける「サイズ」と「排気量」の基準

では、何が「3」と「5」を分けているのでしょうか。その基準は、「ボディサイズ」と「排気量」です。以下の条件をすべて満たす車が「5ナンバー(小型乗用車)」に分類されます。

項目5ナンバーの基準
全長4.7m以下
全幅1.7m以下
全高2.0m以下
排気量2,000cc以下

そして、この4つの基準のうち、どれか1つでも超えると「3ナンバー(普通乗用車)」に分類されます。例えば、排気量が2,000cc以下でも、車幅が1.71mあれば、その車は3ナンバーになるというわけです。

HUBRIDE小野寺

ナンバーの数字だけで決めつけず、車のサイズと使い方をよく考えましょう。

この章のポイント
  • 3ナンバーは必ずしも高級車ではなく、今や一般的なサイズ。
  • 排気量が2,000cc超 or 車幅1.7m超で3ナンバーに分類される。
  • 7ナンバーは5ナンバーと同じ扱い。

【核心】維持費の真実!「3ナンバーは高い」は昔の話?

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「基準はわかったけど、結局3ナンバーの方が維持費は高いんでしょ?」多くの方が最も気になるのが、この維持費の問題ですよね。ここでは、税金の仕組みから丁寧に解きほぐしていきます。

結論:自動車税や重量税はナンバーで決まらない

冒頭でもお伝えした通り、ナンバーの違いだけで税額が決まるわけではありません。現在の自動車に関する税金は、主に以下の2つの要素によって決まります。

  1. 自動車税(種別割):エンジンの排気量
  2. 自動車重量税:車両の重量

つまり、たとえ3ナンバーの車であっても、排気量と重量が同じ5ナンバーの車であれば、これらの税額は同じになるのです。

自動車税(種別割)は「排気量」で決まる

毎年5月頃に納付する自動車税は、車の排気量に応じて課税されます。排気量が大きくなればなるほど、税額も高くなります。

総排気量自動車税額(2019年10月1日以降初回新規登録車)
1,000cc以下25,000円
1,000cc超~1,500cc以下30,500円
1,500cc超~2,000cc以下36,000円
2,000cc超~2,500cc以下43,500円
2,500cc超~3,000cc以下50,000円
3,000cc超~3,500cc以下57,000円

この表を見ると、例えば排気量1,800ccの3ナンバーミニバンと、同じく1,800ccの5ナンバーセダンでは、自動車税は同額の36,000円であることがわかります。

自動車重量税は「車両重量」で決まる

自動車重量税は、その名の通り車両の重さに対して課せられる税金で、通常は車検のタイミングで支払います。こちらもナンバーの種類は関係なく、0.5トンごとに税額が定められています。一般的にボディサイズが大きい3ナンバー車は車重も重くなる傾向があるため、結果的に重量税が高くなるケースが多いですが、これもナンバーではなく「重さ」が基準です。

なぜ「3ナンバーは高い」というイメージが定着したのか?

この根強いイメージには、歴史的な背景があります。1989年(平成元年)に行われた税制改正以前は、実際に3ナンバー車に対して非常に高い税金が課せられていました。当時は排気量だけでなくボディサイズも課税基準に含まれており、3ナンバーは「贅沢品」と見なされていたのです。この税制が改正されて30年以上経ちますが、当時の「3ナンバー=高級車=税金が高い」というイメージだけが今もなお残っているというわけです。

税金以外の維持費(保険料・部品代)に差は出る?

税金以外ではどうでしょうか。任意保険料は、車種ごとの事故リスクを統計化した「料率クラス」によって決まるため、ナンバーで一概に決まるものではありません。しかし、3ナンバー車は車体が大きく、修理費が高くなる傾向があるため、保険料がやや高くなる可能性はあります。また、タイヤなどの消耗品も、サイズが大きくなる3ナンバー車の方が高価になるのが一般的です。

HUBRIDE小野寺

最新の税制度を知って、無駄な心配を減らしましょう。

この章のポイント
  • 自動車税は排気量が、重量税は車両の重さで決まる。
  • ナンバーだけでは税額は変わらない。
  • 昔のイメージが今も根強く残っている。

【深掘り】数字だけでは見えない「実用性」のリアルな違い

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維持費の本質がわかったところで、次に目を向けるべきは「日常での使い勝手」です。カタログスペックの数センチの違いが、日々の運転や生活にどう影響するのかを見ていきましょう。

運転のしやすさ:数センチの差が日常を変える

特に奥様が運転される場合、運転のしやすさは重要なポイントですよね。5ナンバーと3ナンバーの最大の違いともいえる「全幅1.7m」の壁は、想像以上に運転感覚に影響します。例えば、狭い路地でのすれ違いやスーパーの駐車場での取り回しなど、幅が広い3ナンバー車は気を使う場面が増えるかもしれません。また、最小回転半径も大きくなる傾向があり、Uターンや車庫入れで切り返しが多くなる可能性も考慮しておきましょう。

最大の関門?駐車場問題、特に「全幅1.7mの壁」

見落としがちですが非常に重要なのが駐車場問題です。特に都市部に多い機械式駐車場では、全幅1.7m以下というサイズ制限が設けられていることが少なくありません。ご自宅のマンションや月極駐車場、よく利用する商業施設の駐車場が機械式の場合は、購入前に必ずパレットのサイズ制限を確認する必要があります。サイズオーバーで駐車できない、あるいはドアミラーをぶつけてしまうといったトラブルを避けるためにも、事前の確認は必須です。

機械式駐車場の種類サイズ制限の目安(全幅)注意点
2段・3段昇降式1,850mm程度古いタイプは1,700mm制限の場合も
昇降横行式(パズル式)1,850mm~1,950mm車両重量の制限も厳しいことが多い
垂直循環式1,850mm程度全高の制限も厳しい傾向がある

高速料金やフェリー料金に違いはある?

高速道路の料金は、5ナンバーか3ナンバーかではなく、「軽自動車」「普通車」「中型車」といった車両区分によって決まります。一般的な乗用車であれば、5ナンバーも3ナンバーも同じ「普通車」区分になるため、高速料金に差は生まれません。ただし、フェリーの料金は「車体の長さ」で決まることが多いため、4.7mを超える3ナンバー車の場合は、5ナンバー車よりも料金が高くなる可能性があります。

資産価値としての視点:リセールバリューの傾向は?

車を将来手放す際の価値、つまりリセールバリューも気になるところです。一概に「5ナンバーが高い」「3ナンバーが高い」とは言えません。リセールバリューは、車種の人気、グレード、色、走行距離など多くの要因で決まります。

しかし、ミニバンのように「室内の広さ」や「豪華さ」が求められる車種では、エアロパーツなどが装着された3ナンバーの上級グレードの方が高いリセールバリューを維持する傾向があります。

車種グレード例ナンバー3年後の残価率(目安)
トヨタ ノア標準グレード5ナンバー65%
トヨタ ノアエアログレード3ナンバー70%
HUBRIDE小野寺

購入前に駐車場や普段使う施設のサイズ条件をチェック!

この章のポイント
  • 運転に不慣れな方には幅が狭い車が安心。
  • 駐車場の制限(特に機械式)に注意。
  • 高速料金はナンバーで変わらないが、フェリーは長さで料金が変動。

【実践】あなたの家族に合うのはどっち?車種選びのポイント

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ここまで見てきた知識を元に、あなたの家族にとって最適な一台を選ぶための具体的なポイントを解説します。

5ナンバーのメリット・デメリットとおすすめ車種

メリットは、何といってもその取り回しの良さと経済性です。運転がしやすく、狭い場所でも安心感があります。維持費も全体的に安く抑えられる傾向にあります。一方で、デメリットは室内空間や荷室が3ナンバー車に比べて手狭になる点です。

<こんな方におすすめ>

  • 街乗りや日常の送迎がメインの方
  • 運転にあまり自信がない方
  • 駐車場のサイズに制限がある方

<代表的な車種>

  • トヨタ シエンタ、ホンダ フリード: コンパクトながら3列シートも選べる人気のミニバン。
  • 日産 セレナ(標準ボディ): 5ナンバーサイズを維持しながら広い室内空間を実現。
  • トヨタ ヤリス、ホンダ フィット: 燃費と運転しやすさを両立したコンパクトカー。

3ナンバーのメリット・デメリットとおすすめ車種

メリットは、ゆとりのある室内空間と走行安定性の高さです。大人数での長距離移動も快適で、高速道路などでの安定した走りは魅力です。デメリットは、運転に慣れが必要な点や、駐車場を選ぶ可能性があることです。

<こんな方におすすめ>

  • 家族で長距離のドライブやアウトドアによく出かける方
  • 走行性能や乗り心地を重視する方
  • 広い室内空間と豪華な内装を求める方

<代表的な車種>

  • トヨタ アルファード/ヴェルファイア: 圧倒的な存在感と豪華な内装が魅力のLクラスミニバン。
  • トヨタ ノア/ヴォクシー(エアログレード): スタイリッシュなデザインと走行性能を両立。
  • マツダ CX-5、トヨタ ハリアー: デザイン性と走行性能に優れた人気のSUV。
HUBRIDE小野寺

「使いやすさ」こそ最重要。家族で試乗して感覚を確かめましょう。

この章のポイント
  • 5ナンバーは狭い道や街乗りに向いている。
  • 3ナンバーは広くて快適、長距離移動やアウトドアに最適。
  • 使用頻度や運転者のスキル、駐車環境も選定基準に。

まとめ

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今回は、5ナンバーと3ナンバーの違いについて、維持費から実用性まで詳しく解説しました。

重要なポイントは「ナンバーの数字で税金は直接決まらない」ということです。維持費を左右するのは、あくまで「排気量」と「車両重量」です。そして、それ以上に日々の使い勝手に影響するのが、全幅を中心とした「ボディサイズ」です。

「3ナンバーは高い」という古いイメージに惑わされることなく、ご自身のライフスタイル(利用シーン、運転スキル、駐車環境など)をしっかりと見つめ直すことが、後悔しない車選びの鍵となります。ぜひこの記事を参考に、ディーラーで様々な車種を試乗し、ご家族全員が納得できる最高の一台を見つけてください。

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この記事を書いた人

HUBRIDE(ハブライド)ブログ編集部は、「信用に不安があっても、安心してクルマに乗れる社会をつくる」をミッションに、低与信層の方々が抱える“車購入”に関する疑問や不安を解消する情報を発信しています。

当編集部は、自動車販売・ローン審査・債務整理分野の実務経験者や専門ライター、マーケティング担当者によって構成されており、単なる情報提供ではなく、「読者の人生の再スタートを後押しする」実践的な知識と選択肢をお届けしています。

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