「ローンがまだ残っているこの車、本当に売れるのかな…」
「手続きが複雑そうだし、もし査定額がローン残高より低かったらどうしよう…」
新しい家族が増えるタイミングでの車の乗り換え、楽しみな反面、このような不安を抱えていませんか?ご安心ください。ローンが残っている車でも、正しい手順を踏めば問題なく売却できます。
この記事では、ローン中の車を売却する際のあらゆる疑問や不安を解消します。車検証の所有者確認といった基本的なステップから、査定額がローン残高を下回る「オーバーローン」という最も不安な状況の具体的な対処法まで、図解を交えながら誰にでも分かるように徹底解説します。
この記事を最後まで読めば、あなたの状況に合わせた最適な売却方法が明確になり、自信を持って愛車の売却準備を始められるはずです。
- 所有者の確認:車検証で「所有者」が自分かローン会社かをチェック。
- 残債の把握:ローン残額と査定額を比較し、売却パターンを決定。
- オーバーローン対応:不足分は「乗り換えローン」「無担保ローン」「売却延期」で解決。
- 査定額アップ術:清掃・純正パーツ・整備記録・複数査定で数十万円差も。
- 残クレ注意点:残価も含めて一括精算が必要、違約金の可能性もある。
ローンが残っていても車は売却可能です。大切なのは「所有者が誰か(自分かローン会社か)」と「査定額と残債の関係」を確認すること。査定額が残債を上回ればスムーズに完済できますが、下回る場合は不足分を補う必要があります。方法は「乗り換えローン」「フリーローン」「売却延期」の3つ。さらに、査定額を上げる工夫(清掃・純正パーツ・整備記録・複数査定)が重要です。残クレ車は残価も含めて精算が必要なので要注意。正しい知識と準備で、損せず安心して売却できます。

【最重要】売却の前に!まず確認すべき2つのこと
![売却の前にまず確認すべき2つのこと - HUBRIDE[ハブライド]公式サイト](http://hubride.co.jp/wp-content/uploads/2025/08/売却の前にまず確認すべき2つのこと-1024x683.jpg)
具体的な手続きに入る前に、必ず確認しなければならない2つの重要事項があります。この2点を確認することで、あなたがどの手順で売却を進めるべきかが明確になります。
1. 車検証の「所有者」は誰か?
まず、車検証を手元に用意し、「所有者の氏名又は名称」の欄を確認してください。ここに記載されているのが、法律上の車の持ち主です。
- あなた自身の名前(使用者と同じ)の場合: 所有権はあなたにあります。
- ディーラーや信販会社の名前の場合: これは「所有権留保」という状態で、ローンを完済するまで所有権がローン会社にあることを意味します。この場合、売却前に所有権をあなた自身に移す「所有権解除」という手続きが必要になります。
所有権留保は、ディーラーローンや残価設定ローン(残クレ)で車を購入した場合によく見られます。一方、銀行系のマイカーローンでは、所有者は購入者本人であることが一般的です。
2. ローンの残債はいくらか?
次に、現時点でローンがいくら残っているか(ローン残債)を正確に把握しましょう。ローン残債は、売却額でローンを完済できるかどうかの重要な判断基準になります。
ローン残債の確認方法は、ローン契約書を確認したり、ローン会社のウェブサイトの会員ページにログインしたり、直接電話で問い合わせることで確認できます。問い合わせの際は、本人確認のために契約者名、登録番号、車台番号などが必要になる場合があるので、車検証を準備しておくとスムーズです。

必ず車検証とローン契約を確認してから次のステップへ。
- 所有者がローン会社なら「所有権解除」が必要。
- 残債と査定額の関係で売却可否や方法が変わる。
- 車検証と契約書で確認できる。
【フローチャートで診断】あなたの状況に合わせた売却手順
![あなたの状況に合わせた売却手順 - HUBRIDE[ハブライド]公式サイト](http://hubride.co.jp/wp-content/uploads/2025/08/あなたの状況に合わせた売却手順-1024x683.jpg)
上記で確認した「所有者名義」と「ローン残債と想定される査定額の関係」から、あなたの状況は以下の4つのパターンに分類できます。まずはご自身の状況がどれに当てはまるか確認し、対応する解説へ進みましょう。
- Q1. 車検証の所有者名義はあなた自身ですか?
- YES → Q2へ
- NO (ディーラーや信販会社)→ Q3へ
- Q2. 愛車の査定額はローン残債を上回りそうですか?
- YES → パターンA
- NO → パターンB
- Q3. 愛車の査定額はローン残債を上回りそうですか?
- YES → パターンC
- NO → パターンD
パターンA:所有者が自分で、査定額がローン残債を上回る場合
このパターンは、最も手続きがシンプルです。車の売却で得たお金でローンを完済し、残った差額は手元に入ります。新しい車の購入資金に充てることも可能です。
売却手続きは、通常の車売却とほとんど変わりません。買取業者に車と必要書類を引き渡すと、業者がローンの完済手続きを代行してくれる場合が多いです。売却代金からローン残債と手数料が差し引かれ、残金があなたの口座に振り込まれます。手間が少なく、スムーズに売却できるのが最大のメリットです。
パターンB:所有者が自分で、査定額がローン残債を下回る場合
いわゆる「オーバーローン」の状態です。この場合、車の売却代金だけではローンを完済できないため、不足分を自己資金で用意する必要があります。
例えば、ローン残債が100万円で、査定額が80万円だった場合、差額の20万円を現金で準備しなければなりません。売却時に買取業者へ車の代金と合わせて20万円を支払い、ローンを一括返済します。すぐに現金を用意するのが難しい場合は、後述する「オーバーローンの対処法」を参考にしてください。
パターンC:所有者がローン会社等で、査定額がローン残債を上回る場合
この場合、まず「所有権解除」の手続きが必要です。車の売却代金でローンを完済した後、ローン会社から所有権解除に必要な書類(譲渡証明書、委任状など)を発行してもらいます。
手続きの多くは買取業者が代行してくれます。売却代金でローンを完済し、所有権解除の手続きが完了次第、名義変更が行われます。その後、ローン残債を差し引いた差額があなたに支払われる流れが一般的です。手続きに1〜2週間ほど時間がかかる場合があるため、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
パターンD:所有者がローン会社等で、査定額がローン残債を下回る場合
最も複雑なケースで、「所有権解除」と「オーバーローンの資金準備」の両方が必要になります。
まず、査定額で返済しきれないローン残債の不足分をどう工面するかを決める必要があります。自己資金で支払うか、他のローンを利用して完済します。ローンが完済できなければ、ローン会社は所有権解除に応じてくれません。無事にローンを完済した後、所有権解除の手続きを行い、売却が完了します。このパターンも買取業者が手続きをサポートしてくれるので、まずは相談することが重要です。

「所有者」と「査定額 vs 残債」の組み合わせで、手続きは4パターンに分かれます。自分がどのパターンかを把握することで、不安が一気に減るのではないでしょうか。
- 所有者=自分&査定額>残債 → シンプルに完済可能。
- 所有者=自分&査定額<残債 → 不足分の補填が必要。
- 所有者=ローン会社&査定額>残債 → 所有権解除の手続きが加わる。
- 所有者=ローン会社&査定額<残債 → 最も複雑、両方対応が必要。
【重要】オーバーローン(残債>査定額)の3つの賢い対処法
![オーバーローン残債>査定額の3つの賢い対処法 - HUBRIDE[ハブライド]公式サイト](http://hubride.co.jp/wp-content/uploads/2025/08/オーバーローン残債>査定額の3つの賢い対処法-1024x683.jpg)
査定額がローン残債を下回り、自己資金の準備が難しい場合でも、諦める必要はありません。主に3つの対処法があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身の状況に最適な方法を選びましょう。
対処法 | メリット | デメリット | こんな人におすすめ |
---|---|---|---|
①乗り換えローン | ・不足分と次の車の購入費用を一本化できる ・手元の資金がなくても乗り換え可能 | ・借入総額が増え、返済負担が重くなる ・審査が厳しく、金利も高めの傾向 | ・次に購入する車が決まっている人 ・どうしてもすぐに乗り換えが必要な人 |
②無担保ローン | ・使用目的が自由(車の購入以外も可) ・審査が比較的早い | ・金利が非常に高い ・総量規制(年収の3分の1まで)の対象 | ・不足額が比較的小さい人 ・一時的に資金を調達したい人 |
③売却を延期 | ・ローン返済が進み、残債が減る ・車の価値が下がる前に売れる可能性 | ・その間もローン返済は続く ・車の価値が大きく下落するリスク | ・乗り換えを急いでいない人 ・数ヶ月でローンを完済できる見込みがある人 |
①乗り換えローン(残債上乗せローン)を利用する
乗り換えローンとは、現在の車のローン残債の不足分を、次に購入する車のローンに上乗せして借り入れる方法です。例えば、残債の不足分が30万円で、次の車が200万円の場合、合計230万円のローンを組むことになります。
最大のメリットは、手元に現金がなくても乗り換えが実現できる点です。しかし、借入額が大きくなるため月々の返済額が増え、総支払額も多くなります。また、審査も通常の自動車ローンより厳しくなる傾向があるため、安定した収入や良好な信用情報が求められます。
②無担保ローン(フリーローン)で不足分を補填する
銀行や消費者金融が提供するフリーローンなどで不足分を借り入れ、ローンを完済する方法です。担保が不要で比較的借りやすいのが特徴です。
ただし、自動車ローンに比べて金利が非常に高いため、返済負担が大きくなる点には注意が必要です。借入額によっては総量規制(年収の3分の1までしか借りられない制度)の対象になることもあります。あくまで一時的な資金調達手段として、計画的に利用することが重要です。
③ローン返済を進めてから売却する(売却の延期)
もし乗り換えを急いでいないのであれば、ローン返済をもう少し続けて残債を減らし、オーバーローン状態を解消してから売却するのも賢い選択です。数ヶ月返済を進めるだけで、査定額が残債を上回る「アンダーローン」の状態になる可能性もあります。
この方法のメリットは、新たな借り入れをせずに済む点です。しかし、その間にも車の価値は下がり続けるため、返済で減る残債額と、車の価値の下落幅を天秤にかける必要があります。

無理に即決せず、自分の資金状況に合う方法を選びましょう。
- 乗り換えローンは不足分を新ローンに上乗せ。
- 無担保ローンは小額不足なら有効だが金利高め。
- 売却延期は残債を減らしてから売る安全策。
【応用編】ローン中の車を1円でも高く、損せず売るためのコツ
![ローン中の車を1円でも高く損せず売るためのコツ - HUBRIDE[ハブライド]公式サイト](http://hubride.co.jp/wp-content/uploads/2025/08/ローン中の車を1円でも高く損せず売るためのコツ-1024x683.jpg)
手続きの流れを理解したら、次は「いかに損をしないか」が重要です。少しの工夫で、査定額が数十万円変わることもあります。
査定額をアップさせる4つのポイント
- 清掃と消臭で第一印象を良くする:査定士も人間です。内外装が綺麗な車は「大切に乗られてきた」という印象を与え、プラス査定に繋がります。洗車や車内の清掃、特にペットやタバコの臭いは入念に消臭しておきましょう。
- 純正オプションや付属品を揃える: 購入時に取り付けたメーカー純正のナビやエアロパーツは高評価の対象です。また、取扱説明書、保証書、スペアキーなどの付属品が揃っていると査定額がアップしやすくなります。
- 定期点検記録簿を準備する: これまでの点検や整備の履歴が分かる定期点検記録簿は、車の健康状態を証明する重要な書類です。きちんとメンテナンスされてきたことをアピールでき、査定士の信頼を得られます。
- 複数の買取業者に査定を依頼する: これが最も重要なポイントです。 買取業者によって得意な車種や販売ルートが異なるため、査定額には大きな差が出ます。必ず複数の業者に見積もりを依頼し、価格を比較検討しましょう。一括査定サイトを利用すれば、手間なく複数の業者に依頼できます。
「残クレ」で買った車の売却、ここが注意点!
残価設定ローン(残クレ)で購入した車を期間の途中で売却する場合、通常のローンとは少し異なる注意点があります。残クレは、数年後の下取り価格(残価)をあらかじめ設定し、車両本体価格からその残価を差し引いた金額を分割で支払う仕組みです。
売却時は、「ローン残債+設定されている残価」を一括で精算する必要があります。 売却額がこの合計金額を上回れば差額が手元に残り、下回れば不足分を支払うことになります。また、契約内容によっては早期解約に違約金が発生する場合もあるため、事前に契約書をよく確認しましょう。

残クレ車を売る時は、契約書を熟読し必ず事前確認を。
- 残価精算を忘れると資金不足に陥る。
- 早期解約時に違約金がかかる場合もある。
- 契約内容次第で条件が変わる。
ローン中の車売却に関するQ&A
![ローン中の車売却に関するQA - HUBRIDE[ハブライド]公式サイト](http://hubride.co.jp/wp-content/uploads/2025/08/ローン中の車売却に関するQA-1024x683.jpg)
- 手続きは全部買取業者に任せられますか?
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はい、ほとんどの手続きを代行してもらえます。特に所有権解除やローン会社とのやり取りなど、面倒な部分はプロに任せるのが安心です。ただし、印鑑証明書など、あなた自身でなければ取得できない書類もあります。契約時に必要書類をしっかり確認しましょう。
- ローン会社にバレずに売却することはできますか?
-
所有者があなた自身で、売却代金でローンを一括返済するなら問題ありません。しかし、所有権がローン会社にある場合(所有権留保)は、ローン会社の許可なく売却することはできません。必ず正規の手続きを踏む必要があります。
- 債務整理中でも車を売却できますか?
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債務整理中は、資産である車を勝手に売却することは原則として認められません。必ず依頼している弁護士や司法書士に相談してください。専門家のアドバイスに従い、適切な手続きを進めることが重要です。
まとめ:正しい知識があれば、ローン中の車も安心して売却できる!
![まとめ正しい知識でローン中の車も安心して売却できる - HUBRIDE[ハブライド]公式サイト](http://hubride.co.jp/wp-content/uploads/2025/08/まとめ正しい知識でローン中の車も安心して売却できる-1024x683.jpg)
ローンが残っている車の売却は、一見複雑に思えるかもしれませんが、「所有者の確認」と「ローン残債の把握」という2つのポイントを押さえれば、進むべき道筋は明確になります。
- まずは車検証とローン契約書を確認し、ご自身の状況を把握しましょう。
- 査定額が残債を下回るオーバーローンの場合でも、乗り換えローンなどの対処法があります。
- 最終的に損をしないためには、複数の買取業者に査定を依頼し、最高額を提示してくれた業者を選ぶことが何より重要です。
この記事で得た知識を元に、まずは一括査定サイトなどでご自身の愛車がいくらで売れるのか、相場を調べてみることから始めてみましょう。正しい手順と知識があれば、不安なく、そして満足のいく価格で愛車を売却できるはずです。