自動車の税金はいくら？知らないと損する節税術と税額一覧

「毎年5月になると自動車税の通知が来るけど、正直高いな…」「税金の仕組みが複雑で、自分がいくら払うのが正しいのかよく分からない」

あなたも今、こんな風に感じていませんか？

通勤や家族とのお出かけに欠かせない車ですが、その維持費、特に税金に対する漠然とした不安は多くのドライバーが抱える共通の悩みです。

ご安心ください。この記事を最後まで読めば、自動車に関する税金のすべてが明確になり、誰でも実践できる具体的な節税方法を身につけることができます。税金の仕組みを正しく理解すれば、それは単なる出費ではなく、「管理できるコスト」に変わります。

この記事では、2025年最新の税制に基づき、以下の点を専門家が分かりやすく解説します。

• 車にかかる4つの税金の全体像
• あなたの車の税額が分かる一覧表と計算方法
• エコカー減税やグリーン化特例を最大限活用するコツ
• 購入時期や支払い方法で損しないためのテクニック
• 税金を滞納してしまった場合のリスクと対処法

税金の知識で賢く節約し、浮いたお金で家族との思い出を増やしたり、趣味を楽しんだり…そんな豊かなカーライフを実現するための一歩を、ここから踏み出しましょう。

自動車にかかる税金は4種類！全体像を理解しよう

まず、自動車を所有・利用する上で関わってくる税金は、大きく分けて4種類あります。どのタイミングで、どの税金を支払うのかを把握することが、税金理解の第一歩です。複雑に感じるかもしれませんが、下の図のように整理すると意外とシンプルです。

支払うタイミング	税金の種類	概要
購入時	環境性能割	車の環境性能に応じて課税される税金（自動車取得税の代わり）
	消費税	車両本体価格やオプション品、サービスに対して課税される税金
毎年	自動車税（種別割）	毎年4月1日時点の所有者に課税される税金（排気量で決まる）
車検時	自動車重量税	車の重量や経過年数に応じて課税される税金

このように、税金は「買うとき」「持っている間」「車検のとき」という3つのタイミングで発生します。特に毎年支払う自動車税（種別割）と、車検ごとに支払う自動車重量税が、車の維持費に大きく関わってくる中心的な税金です。次章から、それぞれの税金について詳しく見ていきましょう。

【維持費の基本】自動車税（種別割）を徹底解説

自動車税（種別割）は、車の維持費の中でも最も代表的な税金です。毎年1回支払う必要があるため、仕組みをしっかり理解しておきましょう。

自動車税（種別割）はいつ、誰が払う？

自動車税（種別割）は、毎年4月1日午前0時の時点で、自動車検査証（車検証）に記載されている所有者（または使用者）に納税義務が発生します。ローンで購入した場合など、所有者が信販会社やディーラーになっているケースでは、車検証上の「使用者」が納税義務者となります。

納税通知書は、通常5月上旬頃に都道府県の税事務所から郵送で届きます。納付期限は原則として5月31日までですが、一部地域では6月末日が期限の場合もありますので、必ず通知書で確認しましょう。

【一覧表】あなたの車の自動車税はいくら？

自動車税の金額は、車の用途（乗用・貨物など）と、エンジンの総排気量によって決まります。また、2019年10月1日以降に初回新規登録された車は、税率が引き下げられています。ご自身の車がどちらに該当するか車検証で確認し、下の表で税額を確認してみましょう。

【乗用車】自動車税（種別割） 税額一覧表（年額）

総排気量	2019年9月30日以前に登録	2019年10月1日以降に登録
1,000cc以下	29,500円	25,000円
1,000cc超～1,500cc以下	34,500円	30,500円
1,500cc超～2,000cc以下	39,500円	36,000円
2,000cc超～2,500cc以下	45,000円	43,500円
2,500cc超～3,000cc以下	51,000円	50,000円
3,000cc超～3,500cc以下	58,000円	57,000円
3,500cc超～4,000cc以下	66,500円	65,500円
4,000cc超～4,500cc以下	76,500円	75,500円
4,500cc超～6,000cc以下	88,000円	87,000円
6,000cc超	111,000円	110,000円
軽自動車（乗用）	10,800円	10,800円

※軽自動車税（種別割）は市町村税であり、税額は一律です。

支払い方法は多様化！お得なのはどれ？

自動車税の支払い方法は、現金だけでなく、キャッシュレス決済も広く普及しています。主な支払い方法は以下の通りです。

• 金融機関・郵便局の窓口
• コンビニエンスストア
• 口座振替
• クレジットカード
• スマートフォン決済アプリ（PayPay、LINE Payなど）
• ペイジー（Pay-easy）

特に注目したいのが、クレジットカードやスマホ決済です。自治体によっては決済手数料がかかる場合がありますが、それを上回るポイント還元を受けられる可能性があります。キャンペーン期間中であれば、さらに高い還元率が期待できることも。納税は義務ですが、支払い方法を工夫することで、少しでもお得になる可能性があることを覚えておきましょう。

【車検時に必要】自動車重量税の仕組み

自動車重量税は、その名の通り車の重量に応じて課税される国税です。新車購入時と、継続車検の際に、次の車検までの期間分（通常は2～3年分）をまとめて支払います。

自動車重量税はいつ、いくら払う？

支払うタイミングは、新規登録時と継続車検時です。税額は、車両重量0.5トンごとに年間税額が定められており、それに車検有効期間の年数を乗じて算出します。

重要なポイントは、エコカー減税の対象かどうか、そして新規登録から13年または18年を経過しているかで税額が大きく変わる点です。古い車ほど環境負荷が大きいという考えから、経過年数に応じて税額が高くなる「重課」の仕組みが導入されています。

【一覧表】車両重量・経過年数別の税額

自家用乗用車（2年分）の自動車重量税額は以下の通りです。ご自身の車の重量と年式を車検証で確認し、該当する税額をチェックしてみましょう。

自動車重量税 税額一覧表（自家用乗用車・2年分）

車両重量	本則税率	13年経過	18年経過
～0.5t	5,000円	5,700円	6,300円
～1t	16,400円	22,800円	25,200円
～1.5t	24,600円	34,200円	37,800円
～2t	32,800円	45,600円	50,400円
～2.5t	41,000円	57,000円	63,000円
～3t	49,200円	68,400円	75,600円
軽自動車	6,600円	8,200円	8,800円

※上記はエコカー減税が適用されない場合の税額です。エコカー減税対象車は、免税または減税となります。

【購入時の税金】環境性能割と消費税

車の購入時に一度だけ支払う税金が「環境性能割」と「消費税」です。購入総額に影響するため、新車や中古車の購入を検討している方は必ず理解しておきましょう。

環境性能割とは？

環境性能割は、2019年10月に自動車取得税が廃止されたのに伴い導入された税金です。車の燃費性能に応じて、取得価額（課税標準基準額＋オプション価格）に対して**0%（非課税）～3%**の税率が課されます。

燃費の良い車ほど税率が低くなる仕組みになっており、電気自動車（EV）やプラグインハイブリッド車（PHEV）などは非課税です。車の購入時には、この環境性能割がいくらになるのかをディーラーや販売店に確認することが重要です。

消費税

消費税は、車の購入において最も身近な税金かもしれません。車両本体価格だけでなく、カーナビやフロアマットなどのオプション品、そして納車費用などの各種手数料にも課税されます。

現在の消費税率は10%です。例えば、300万円の車を購入した場合、消費税だけで30万円がかかります。見積書を確認する際は、「車両本体価格」だけでなく、オプションや手数料を含めた「支払総額」と、それに含まれる消費税額をしっかりと確認しましょう。

知らないと損！自動車税の賢い節税テクニック完全ガイド

ここからは、車の税金を賢く節約するための具体的な方法を解説します。少しの知識と工夫で、年間の維持費を大きく変えることが可能です。

最大の節税策！エコカー減税とグリーン化特例

エコカー減税は、環境性能に優れた車に対して、新規登録時および初回継続車検時の自動車重量税が減税または免税される制度です。対象となるのは、電気自動車、燃料電池車、プラグインハイブリッド車、クリーンディーゼル車、そして一定の燃費基準を達成したガソリン車などです。

一方、グリーン化特例は、新規登録の翌年度分の自動車税（種別割）が軽減される制度です。こちらも対象は環境性能が高い車で、おおむね75%程度の軽減が受けられます。これらの制度を最大限活用することが、購入時および購入翌年の税金を抑える最大のポイントです。

【要注意】13年・18年超の重課措置とは？

愛車に長く乗り続けることは素晴らしいことですが、税金の面では注意が必要です。新規登録からガソリン車は13年、ディーゼル車は11年を超えると、自動車税（種別割）がおおむね15%重課（増税）されます。軽自動車も13年経過で約20%の重課となります。

さらに、自動車重量税も13年経過時と18年経過時の2段階で税額が上がります。例えば2トンの乗用車の場合、新車時の重量税（2年分）は32,800円ですが、13年超で45,600円、18年超で50,400円と、負担が大きく増加します。車の買い替えを検討する際は、この重課のタイミングも判断材料の一つとすると良いでしょう。

購入・登録時期の工夫で節税する

普通車の自動車税は、購入（新規登録）した月の翌月から翌年3月までの分を月割りで支払います。つまり、月初に登録しても月末に登録しても、その月の税額はかからないのです。そのため、普通車を購入するなら、月末ギリギリよりも月初（例えば2日）に登録する方が、約1ヶ月分の税金を節約できることになります。

一方で、軽自動車税には月割りの制度がありません。4月2日以降に購入すれば、その年度の軽自動車税はかからず、翌年度からの課税となります。この違いを知っているだけで、数千円から数万円の差が生まれることがあります。

税金を意識した車種選びのポイント

長期的な維持費を考えるなら、購入時の車種選びが最も重要です。税金の観点からは、以下のポイントを意識しましょう。

• 排気量: 自動車税に直結します。ライフスタイルに必要十分な排気量の車を選ぶ。
• 車両重量: 自動車重量税に影響します。0.5トン単位で税額が変わるため、クラスの境目にある車種は要注意。
• 燃費性能: 環境性能割やエコカー減税、グリーン化特例の対象になるかどうかが決まります。

もちろん、車の魅力は税金だけではありません。しかし、これらの税金の知識を持った上で車種を比較検討することで、より納得感のある、賢い車選びが可能になります。

【要注意】税金を滞納するとどうなる？リスクと対処法

「もし、うっかり自動車税の支払いを忘れてしまったら…？」そんな万が一の事態に備え、滞納した場合に何が起こるのかを正しく理解しておくことも重要です。

延滞金の発生から差し押さえまでの流れ

自動車税の納付期限を過ぎてしまうと、まず延滞金が発生します。延滞金の利率は決して低くなく、滞納期間が長引くほど負担は雪だるま式に増えていきます。

期限を過ぎても納付がない場合、督促状が送付されます。それでも無視を続けると、財産の調査が行われ、最終的には給与や預金口座、さらには自動車本体といった財産の差し押さえという強制的な処分に至る可能性があります。これは決して他人事ではありません。佐藤さん（32歳）がもし納税を忘れたら、最初は「払い忘れかな」程度に思っていても、数ヶ月後には勤務先に給与差し押さえの通知が届き、信用を失う…という事態も起こり得るのです。

滞納してしまった場合の相談先

もし経済的な事情で支払いが困難な場合は、決して放置せず、すぐに都道府県の税事務所や市町村の役所の担当窓口に相談してください。事情によっては、分割での納付（分納）や、一時的な納税の猶予が認められる場合があります。誠実な相談が、最悪の事態を避けるための第一歩です。また、車検が受けられない、売却ができないなど、税金の滞納は様々な不利益に繋がることを覚えておきましょう。

ライフステージ別！自動車税の節税モデルケース

ここでは、具体的なライフステージを想定し、どのような車選びや節税プランが考えられるかをご紹介します。

【30代ファミリー】佐藤さんの場合

• 状況: 32歳会社員、妻と二人暮らし。近々子供が生まれる予定で、現在のスポーツセダンからミニバンへの買い替えを検討中。
• 課題: 将来の教育費も考え、車の維持費はできるだけ抑えたい。
• 提案:
  • 車種選び: エコカー減税やグリーン化特例の対象となるハイブリッドのミニバンを選択。例えば、排気量1.8Lクラスで車両重量1.5t超～2.0t以下のモデルなら、自動車税（年額36,000円）を抑えつつ、購入時の環境性能割や重量税の優遇が受けられます。
  • 購入時期: 急ぎでなければ、4月2日以降に登録することで、初年度の自動車税をまるまる節約できます。
  • 支払い: 納税通知書が届いたら、ポイント還元率の高いクレジットカードで支払い、家計の足しにする。

【20代独身】Aさんの場合

• 状況: 25歳、社会人3年目。初めてのマイカー購入を検討。通勤と週末のドライブがメイン。
• 提案: 維持費を最優先するなら、軽自動車が最適解。特に燃費性能の良いハイトワゴンなどであれば、購入時の税金も安く、毎年の軽自動車税も10,800円と非常に低コストです。普通車を選ぶ場合でも、1,000cc以下のコンパクトカーにすれば、自動車税を年額25,000円に抑えることができます。

【50代夫婦】Bさんの場合

• 状況: 55歳、子供は独立。夫婦二人での旅行や趣味を楽しむための上質なセダンやSUVに興味がある。
• 提案: 乗り心地や安全性能を重視しつつ、税金面も考慮するならクリーンディーゼル車やPHEV（プラグインハイブリッド車）が有力候補。これらの車種はグリーン化特例などで税制優遇が大きく、燃料費も抑えられます。長年乗り続けることを想定し、13年超の重課が適用されない車種を選ぶのも賢い選択です。

自動車税に関するよくある質問 (Q&A)

自動車税のまとめ

本記事では、自動車にかかる4種類の税金（自動車税、重量税、環境性能割、消費税）の仕組みから、具体的な税額、そして賢い節税方法までを網羅的に解説しました。

重要なポイントは、税金は「知る」ことで「コントロール」できるコストになるということです。エコカー減税などの制度を理解し、ご自身のライフプランに合った車種を選び、購入時期や支払い方法を少し工夫するだけで、年間の負担は大きく変わります。

この記事で得た知識を元に、ぜひご自身の車の税金を見直し、次の車選びや納税の際に活かしてみてください。税金への漠然とした不安を解消し、より豊かで安心なカーライフを送りましょう。